株券アレコレ

株券と株式会社の仕組み

今回は株券に関する基礎知識として、『株式会社』についてまとめておさらいしておきましょう。一般的に大きな事業をする企業は、株式会社という仕組みで運営するのが普通です。

事業を行っていくためには、資金が必要となります。お金をたくさん持っていて自己資金で事業を運営できる場合は何の問題もないのですが、このようなお金持ちは稀です。一般的には、自己資金以外にも資金が必要になります。

株式会社が資金を集めるためには、2つの方法があります。一つは、銀行や信用金庫などから資金を借り入れる方法です。いわゆる借金です。もう一つが株式を発行して、資金を調達する方法になります。

大きな資金を集めるためには、広く世間一般から出資者を募り資金を集めます。出資者に対しては、いくら出資してもらったかを証明するためのチケットを発行します。このチケットが「株券」になります。株券を持っている出資者のことを、「株主」と呼びます。

株券を持っている株主は、出資した会社が事業に成功して、利益を出せるようになったら、利益の還元を受けることが出来ます。利益の還元には、会社の稼いだ利益の一部から株主に支払う「配当金」や株券の転売によって利益を得られる方法などがあります。

銀行や信用金庫などで借金すると、利息が生じますが、株式発行の場合には利息が生じないので、出資者だけでなく、株式会社にとってもメリットがある資金調達方法になります。(※ 配当金には利息のような側面もあります)

株券の不発行制度

以前の商法では、原則として全ての株式について株券が発行され、その譲渡について株券の交付を要する建前となっていました。しかし、平成18年5月1日の会社法施行に伴い、株券の管理、紛失等のリスク、流通、株券の発行にかかるコスト削減をするために会社法上、株券を発行しないことを可能とする改正が行われました。会社法では、株券の発行・不発行は会社に委ねられ、株券は、定款の定めがある場合にのみ、発行することができることとなりました。

旧商法では、全ての株式会社は原則、株券発行会社でした。例外的に定款において『株券を発行しない』旨を定めた場合には、株券不発行会社となりました。ただし、譲渡制限会社においては、株主より株券発行の請求が無い場合には、株券を発行しなくても良いという規定があったので、実際には、中小会社で株券を発行している例はほとんどないのが実情でした。

平成18年5月施行の会社法より、上記の旧商法の原則と例外が逆転し、株券不発行が原則となり、例外が株券発行となりました。つまり、定款で株券の発行について何も定めなかった場合には、自動的に株券不発行会社となり、定款で定めた場合にのみ株券発行会社になるということになったのです。

会社法施行前から存続している株式会社については、法務局により登記簿謄本に『株券を発行する』旨の登記がされているので、定款を変更して『株券不発行会社』とすることによって株券発行の義務をなくすことが出来ます。

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