株券電子化~その一
株券電子化が、平成21年1月5日より実施されました。
株券電子化(株式のペーパーレス化)とは、「社債、株式等の振替に関する法律」により、上場会社の株式等に係る株券を全て廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構(通称「ほふり」)及び証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行うこととするものです。
[株券電子化のメリット]
(1.)株主メリット
◆株券を手元で保管することなどによる紛失や盗難、偽造株券取得のリスク排除
◆株式の売買の際、実際に株券を交付・受領したり株主名簿の書換申請を行う必要がなくなる
◆株式発行会社の商号変更や売買単位の変更の際に、株券の交換のため、発行会社に株券を提出する必要がなくなる
(2.)発行会社メリット
◆株主名簿の書換に当たり株券が偽造されたものでないか等のチェックを行う必要がなくなる
◆株券の発行に伴う印刷代や印紙税、企業再編に伴う株券の回収・交付のコスト等が削減
◆株券喪失登録手続を行う必要がなくなる
(3.)証券会社メリット
◆株券の保管や運搬に係るリスクやコスト等が削減
◆株主が株券を「ほふり」に預託する場合や「ほふり」に預託された株券を引き出す場合の手続を行う必要がなくなる
このように株券電子化は、株主、株式発行会社、証券会社の三者にとってメリットの大きいものです。しかし、その裏では、今まで株券の紙の原料を供給していた和紙会社はおまんま食いっぱぐれとなった経緯があります。
株券の歴史
株券の雑学として、株券の歴史についてみていきましょう。株式会社の仕組みと株式のはじまりは、オランダ東インド会社にその起源があるといわれています。
16世紀から17世紀の大航海時代、ヨーロッパでは共同資本により、貿易や植民地経営のための大規模な海商企業集団が設立されるようになっていました。有名なのが1600年に設立されたイギリス東インド会社です。もっとも、初期の貿易会社は、航海の都度出資を募り、航海が終わる度に配当・清算を行って終了する事業でした。そして、1602年に設立されたオランダ東インド会社は、継続的な資本を持った最初の株式会社だったとされています。
こうした商船会社はお金持ちから出資を募り、外国貿易による黒字を出資者で山分けするという事業でした。この山分けをするときに自分が出資者であることを証明するツールが現在の『株券』の起源というわけです。しかし、嵐や海賊に襲われたりすると、出資金は全てオジャンですというハイリスク・ハイリターンなもので、博打的要素がかなり強い投資だったといえます。
一方日本では明治維新期に活躍した坂本竜馬が作った「亀山社中」という商船会社が最初の株式会社だと言われています。当時はまだまだ株式会社と云えるほど本格的なものではなかったようですが、後年その事業を母体として岩崎弥太郎が三菱財閥を作り上げるきっかけになったわけですから、坂本龍馬には先見の明があったといえますね。

